【肩甲骨の内側が痛む方】肩甲背神経などの神経のトラブルの可能性

肩甲骨の内側の痛みは、肩甲骨の内側にある『菱形筋』や肩甲骨の内側を通る『肩甲背神経』が圧迫されて、症状が生じている可能性があります。一般的な病名が存在していない症状のため、病院などで受診しても、肩関節周囲炎や頚椎症、肩腕症候群など、肩や首の機能が悪いことにより症状が生じると説明されることが多いかと思います。

『菱形筋

肩甲背神経

今回はこの肩甲骨の内側の詰まりや痛みの要因とその見解を、機能解剖学に基づいて解説していきます。悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。これを読んで実践することで、あなたの症状が少しでも和らげば幸いです。

【目次

1.肩甲骨内側の詰まりのメカニズム

2.肩甲骨の内側が詰まる3つの要因

3.詰まりやすい人の生活習慣

4.ストレッチでは一時的にしか良くならない

5.セルフエクササイズのご紹介

6.それでもスッキリしない場合は当サロンへ

肩甲骨内側の詰まりのメカニズム

肩甲骨は通常、肋骨の上をすべるように動いています。このすべる動きは、肩甲骨と肋骨の間で生じており、この関節は『肩甲胸郭関節』と呼ばれています。この肩甲胸郭関節の間には筋肉や滑液包と呼ばれるクッション材があり、肩甲骨はその上を動いているのですが、何かしらの要因が加わると、このクッション材の働きが悪くなり、肩甲骨を背骨に寄せる際に必要以上に肋骨に圧迫力が加わるため、肩甲骨を寄せる時に背中を押し込まれるような感覚とともに菱形筋や肩甲背神経に詰まりや痛みが生じやすくなると考えています。

『肩甲胸郭関節(青:肩甲骨)』

肩甲骨の内側が詰まる3つの要因

1.肩甲骨の動く方向による問題

『肩甲骨の動き』は6つの運動方向で構成されています。動きは挙上、下制、内転(肩甲帯の伸展)、外転(肩甲帯の屈曲)、上方回旋、下方回旋があります。基本的にはそれぞれの動きを単独でも行えることが通常です。しかし詰まりやすい人は肩甲骨を寄せる時に、肩甲骨の内転をしようとしても、下制を呼ばれる下方向への動きが勝手に生じてしまい、肋骨との間で詰まりを増強させるような動きが繰り返し生じることで、その間に存在する筋肉や神経にストレスが加わっていると考えています。

試しに皆さんも一度、肩甲骨を寄せながら下げる動きをしてみてください。詰まる感じや苦しい感じを感じることかと思います。肩甲骨を下げるようにすると、鎖骨と肩甲骨で肋骨を上から押し付けるような状態になり、呼吸がしにくくなります。このような動きを繰り返していると間に存在する筋や神経に負担がかかりやすくなるだけでなく、腕のしびれも生じやすいとされている肩甲骨の動きとなるので、しびれを感じる方も要注意です。

肩甲骨の動き

https://www.japanpt.or.jp/info/asset/pdf/20220610_ROM03.pdf

日本理学療法士協会より引用

2.肩甲骨内側の組織の柔軟性低下

肩甲骨の内側には菱形筋と呼ばれる筋肉が存在します。この菱形筋などが硬くなっている場合は肩甲骨を寄せる際に筋肉が圧迫されるため、詰まり感が生じやすくなると考えています。気をつけの位置から、背中を丸めずに手を遠くに伸ばした際に思ったより伸びにくくなっている方、または反対側に比べて遠くまで伸ばせなくなっている場合は硬くなっているサインです。

3.胸郭の可動性低下

胸郭と呼ばれる肋骨と前側にある胸骨に囲まれるエリアは、前の胸骨と肋骨との間で構成される『胸肋関節』と後ろの背骨と肋骨の間で構成される『肋椎関節』などの間で動くとされています。詰まりやすい方は、この前後の関節の可動性が低下しているケースが多いかと思います。また、この関節は左右それぞれに存在するため、多くの場合で左右差があります。肩甲骨が詰まりやすい側の胸肋関節と肋椎関節は硬くなっていることが多いため、肩甲骨が詰まりやすい側は胸郭の動きも制限されていることが多いため、身体が振り向きにくくなっていることが多いかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

『胸肋関節(左図が関節のつなぎ目)と肋椎関節(右図の右側の面で関節として動く)』

詰まりやすい人の生活習慣

詰まりやすい人の生活習慣として、以下の3つが多いと考えています。「1.胸の張りが強い鳩胸傾向」「2.カバンを片側にかけることが多い」「3.普段、寝返りが少ないと言われる」これらの特徴で詰まりがある方は要注意かと思っております。

1.胸の張りが強い鳩胸傾向

『鳩胸姿勢』は肩甲骨を寄せる際に肩甲骨の内転に下制が伴いやすくなります。そのため肩甲骨を寄せて下げる動きになりやすいため、詰まりが生じやすくなるかと思います。

『鳩胸傾向:過剰な胸椎伸展位』

2.カバンを片側にかけることが多い

カバンによる影響として、肩甲骨は鎖骨と繋がっているのですが、荷物を片側に持つ習慣を続けているとカバンの紐にかかる重みによって鎖骨が固定されてしまい、そのストレスが持続してしまうと鎖骨と肩甲骨が肋骨を圧迫してしまい、そのことにより肩甲胸郭関節の間にある滑液包などにストレスが加わりやすくなると考えております。また専門的な話になりますが、鎖骨が動きにくい状態となるため、胸鎖関節と呼ばれる胸骨と鎖骨での関節運動が制限されやすくなるため、『肩鎖関節』と呼ばれる鎖骨と肩甲骨の間をつなぐ関節での可動割合が増加しやすくなり負担が増加しやすいと考えています。この肩鎖関節が肩甲骨の内側の詰まり軽減のために大事な関節となるので、ぜひ頭に留めておいてください。

肩鎖関節

3.普段、寝返りが少ないと言われることが多い

寝返りの少なさとの関係として、寝返りがしにくくなっている場合、ベッドと接地している面には長時間圧迫が加わることになります。長時間圧迫が加わっていると、その部分には循環不良が生じやすくなります。そのような状況が続いていると組織の柔軟性は徐々に失われていきます。仰向けの場合は菱形筋などの背部の筋肉への圧迫となりますし、左右どちらかに偏っている場合は下にしている側の肋骨への圧迫が続くことになり、滑液包へのストレスがかかりやすくなります。適度な寝返りがしにくい深く埋もれてしまうような寝具を使用している場合は要注意です。

ストレッチでは一時的にしか良くならない

肩甲骨の内側の詰まりや痛みを日頃から感じている人は手を上や前に遠くに伸ばすようにして菱形筋などのストレッチをしている方が多いかと思います。一時的にはストレッチでスッキリするような感じになるかと思いますが、根本的な要因が取り除かれるわけではないため改善にはつながらないかと思います。今まで伝えてきた要因を取り除かない限りはまた負担が生じてきて、すぐ硬くなり、またストレッチの繰り返しとなるだけです。

セルフエクササイズのご紹介     「肩鎖関節セルフリリース」

肩甲骨の内側が詰まりやすい要因の一つとして、肩甲骨の動く方向についてお伝えしましたが、肩甲骨の調和の取れた動きのためには胸鎖関節と『肩鎖関節』の両方が機能する必要があります。しかし、カバンを片側に持つことが多かったり、手をついて転倒をした経験があったりすると、肩鎖関節の動きがうまく出来なくなり、肩甲骨を寄せる動きの際に肋骨側に食い込みやすくなってしまいます。そのことが菱形筋や肩甲背神経への圧迫ストレスの増強につながり、痛みにつながると考えております。そのため、肩甲骨の内側の詰まり・痛みの改善のためには肩鎖関節の動きの正常化がすることが大切です。動きを改善させるための『肩鎖関節のセルフリリース』実施方法についてはTwitterに動画を貼り付けておりますので、ぜひそちらからご覧ください。(※Recovery Salon iloのインスタグラムのアカウントからも閲覧可能です。)

『肩鎖関節(青いエリア)』

肩鎖関節セルフリリース(Twitter)』

『Instagram:Recovery Salon ilo』

また、肩鎖関節の動きの低下や腫れは四十肩・五十肩などの肩関節周囲炎に先行すると言われており、肩の動きがいまいち…という方も、このセルフリリースをすることで肩の動きがスムーズになるケースもありますので、ぜひお試しください。

それでもスッキリしない場合は当サロンへ

セルフエクササイズで軽減しても、他の要因が残っていれば完全には改善しないかと思います。胸郭の硬さ、肩甲背神経周囲の柔軟性、棘鎖角の調整障害など他にも多くの要因が症状の出現に影響しているかと思いますので、お困りの方がいましたら、ぜひ一度、当サロンまでお越しいただければと思います。要因分析を行った上で適切なセルフケアも合わせて、お伝えしますので、どこに行ってもなかなかスッキリしないなどの想いをお持ちの方はぜひ一度、足をお運びください。

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