当サロンでは機能解剖学の知識をもとに様々な依頼を承っております。機能解剖学を活かして、自信を持ってお応えできるものはしっかりと対応させていただきます。
医学的な対応が明らかに必要であれば、医療機関で10年以上勤務していた経験をもとにご案内させていただきますので、ご安心ください。
楽器演奏を仕事や趣味、部活動でされている方向けの内容
楽器の演奏はスポーツではないけれど…
重い楽器を扱って、時には遠方まで運んで、同じ姿勢で演奏を何時間も続ける。
カラダには、なかなか過酷な活動です。楽器の演奏を続ける方に少しでもコンディションが整った状態で演奏を続けて欲しいと思い、記事を綴っていきます。
自身の演奏経験は浅いですが、サックスの演奏会の参加経験があったり、パーソナルコンディショニングでサックス奏者のサポートを行っているので、それらの活動内容を踏まえて、皆さんにお伝えしていきます!
この記事はこんな方にオススメ!(※管楽器を中心とした内容)
- お子さんが吹奏楽などで演奏活動をされている親御さん
- 演奏をしていて腰痛があったり、ロングトーンなどで呼吸がしにくい感じがする方
- いつまでも健康に演奏を続けたいと思っている方
演奏中の姿勢のポイント
1️⃣持久力と呼吸機能を高める正しい座り方
楽器を演奏する上で正しい座り方が出来ているかどうかは非常に重要です。正しい座り方とは一般的に背筋を伸ばした姿勢を想像することが多いかと思いますが、大枠として正しい座り方には2種類あります。
1.背筋を伸ばした状態での正しい座り方
2.背中を丸めた状態での正しい座り方
この両方が存在します。歌を歌うときでも高音で歌う時は身体が少し伸び上がったり、鼻に当てるように発声したり、背筋は伸びやすいかと思います。一方、低音を出すときは身体を丸めたり、お腹に近いところで出すような意識をしたりと音色によって身体の使い方を変化させているかと思います。
そのため、どちらの音も良い音とするためには、身体を丸めても反らしてもパフォーマンスの良い姿勢を取れることが重要です。実際の姿勢の作り方に関しては、動画をご覧ください!
(動画)
動画のように良い姿勢とそうでない姿勢では深呼吸のしやすさが大きく異なります。ぜひ動画を見ながら姿勢の取ってみて深呼吸がしやすい姿勢になっているか確認してみてください。吹き続けるには呼吸が安定しているか、しっかり空気を取り込みやすい状態になっているかが演奏を続ける持久力面で重要です。
2️⃣カラダの負担が少ない楽器の構え方
次に構え方ですが、楽器の重心移動と身体の重心移動を近づけてシンクロさせることが大切です。
AI生成画像になりますが、このように体幹は前傾のままだが、顔と楽器だけ上向きになるような状況の場合はシンクロ不足となります。このような状況では胸郭の下と上の動きがバラバラとなってしまい、呼吸量を確保できなくなります。また、身体から楽器が離れた状況となってしまうため、楽器の重さの負担を腕でダイレクトで受けることになるため肩周りの筋肉の負担も増加するかと思います。
一方、このように身体を反りながら楽器を上向きにシフトさせていると比較的、呼吸のしやすさ、楽器の重さの影響は受けにくくなります。しかし、脇を閉じ気味にしているため胸郭の横への拡張性が出にくくなるため、呼吸のパフォーマンスはやや低下します。少し脇を開き目にすると呼吸が確保され、楽に感じられるポイントが見つけられるかと思いますので試してみてください。
次に、このような姿勢も良く見受けられる演奏姿勢かと思います。楽器の重心位置と身体重心位置がシンクロしているため楽器が軽いと感じられるかと思います。反り方に関しては、やや膝曲げ優位となりますが、伸びあがり方によって腕の負担の軽減や呼吸にしやすさなど大きく変わってきますのでシンクロを一つのテーマにすることは大切かと思います。
このように高い音を出す奏法とは違い、低音では丸めた姿勢でのシンクロが重要となります。こちらについては機会があれば、またお伝えしたいと思います。
3️⃣捻りを伴う楽器の扱い方
楽器を演奏する際に前で演奏する場合と横で演奏するような場合があるかと思います。
前で演奏すれば身体に良いとか、横だから歪みやすいなどは早計です。前で演奏していても身体が丸まりすぎていれば呼吸はしにくくなってしまうため、パフォーマンスは低下しますし、姿勢を変えにくい姿勢で演奏していると、様々な音色に対応しにくいため注意する必要があります。
このような姿勢では、明らかに姿勢が悪いため、肋骨の動きが制限されるため、呼吸のパフォーマンスは低下してしまいます。また足を投げ出すような格好で演奏していますが、これでは骨盤の動きが出にくくなってしまうため、高い音を出す際に身体が伸びず、音は不安定になるかと思います。このように姿勢の影響は想像以上に大きいものです。
そして本題、捻りが伴いやすい演奏姿勢ではいくつか注意すべきポイントがあります。
◉楽器だけが横向きになっているのか
◉身体の捻れが伴うか
◉腕の窮屈さはどうか
前提として肋骨の捻りが伴うような姿勢では呼吸機能は著しく低下してしまいます。
そのため、このような姿勢で演奏を行う場合は股関節を中心に骨盤レベルで姿勢調整を行って捻りに対応することが重要である。楽器だけが横向きであれば胸郭は捻れていないため、呼吸は影響されにくいですが、楽器と共に胸郭が捻れていると呼吸しにくくなるので自分がどちらのパターンか確認してみましょう。また、腕で極端に楽器を横向きにしている場合は腕によって胸郭が圧迫されるため呼吸の制限が生じるため注意が必要です。
フルートのような捻れているような姿勢で演奏するようなケースでは身体の使い方が悪いと慢性痛などの怪我につながりやすいかと思います。
この方のように胸郭を捻らずに、身体を横向きにできていれば呼吸に与える影響は最小限となります。また腕で肋骨を圧迫せずに胸郭が拡がるようにオープンスペースを確保しながら演奏していることが身体にとって非常に大切です。
関節は可動範囲の最終域ではパフォーマンスが低下するため各関節はなるべくミドルレンジで使うようにすると窮屈感がなく、演奏が可能となるため自身の使い方をこの機会にぜひ見直してみてください。
呼吸機能を高めるための3つのポイント
1️⃣衣類で胸郭やお腹を締め付けない
スムーズな呼吸を行うためには胸郭と腹部が拡張しやすい状況が維持されているかが非常に重要です。
タイトなウェアを着ていると、それにより息を大きく吸いにくくなるため注意が必要です。特に女性の場合は下着にで胸郭が強く締め付けてしまっている場合があるため、注意してみてください。
また、最近ではハイウエストによって腹部が過度に圧迫されて呼吸しにくくなっている場合があるので演奏中に着るものには注意を払いましょう。
2️⃣マスクで圧迫されたアゴは元の位置に戻そう
また、コロナ禍による影響としてマスクを装着していた期間が長く続きましたが、マスクを長く装着していると耳と顎先が圧迫されていきます。顎の位置は下顎骨の位置によって決まりますが、アゴが後ろに後退していると、それによって気管が圧迫されて空気の通りが悪くなります。そのようなトラブルを抱える場合はエラ辺りをマッサージしたり、耳の後ろをマッサージすると効果的です。
このような後頭部で圧迫するケースでもアゴに対しては真ん中側に押し付ける力が発生するため影響は出ているかと思うので要注意です!
またアゴを過度に引いた状態では呼吸をしにくくなるため演奏中のアゴと喉元の距離が極端に狭くなっていないかも注意してみてください。
心肺蘇生の蘇生のような「顎先挙上法」のような姿勢では息の通りは良くなるため、高音を出すような場合は身体の伸び上がりと共にアゴ下のスペースも開放すると鼻に抜けるような息の通りになるかと思います。
3️⃣演奏で使用する呼吸筋などの疲労は日頃からケアを
演奏する動きは呼吸のための筋肉を繰り返し使用する動きとなります。そのため、繰り返しの使用によって気づかない程度はありますが、柔軟性が低下していきます。
自身の身体を捻った時に振り向きやすい側と振り向きにい側とあるかと思いますが、呼吸筋などの筋肉の柔軟性が低下すると可動範囲が狭くなってきますので、自身のイメージより捻りにくくなっている感じがあればコンディショニングを行うと良いかと思います。
◉胸鎖乳突筋のマッサージ
◉胸郭周囲の皮膚のリリース
◉肋軟骨部のマッサージ
上記のようなセルフケアを行い、スムーズな呼吸環境を維持するように努めてみてください。
作成途中の記事となります。途中までではありますが、ぜひご覧ください。